内製化したばかりのセールスチームには、経験者が一人もいませんでした。
「来たリードに何を話せばいいのか」というところからのスタートでした。

スマレジのECセールスチームは、旧ネットショップ支援室とスマレジのM&A以前より、外部パートナー3名による外注体制で運営されていました。その後に内製化し、2名からスタート。現在は5名体制まで拡大しています。マーケティングが獲得したリードは、Salesforce導入以降、自動的に商談リードとしてセールスチームへ引き渡される仕組みが構築されました。

ただしトークスクリプトは、顧客対応を重ねる中で得た肌感をもとに、日次のミーティングで少しずつ磨き上げていくしかありませんでした。2名という体制の中では対応漏れも発生し、直近ではリード数が大きく増加。これまでのやり方の延長線上では対応しきれなくなりつつありました。

「セールスにおけるナレッジと経験値というところが、我々のチームに最も足りていない部分だった」

株式会社スマレジ 伊東さん

人手不足の解決策として採用の強化も選択肢にはありましたが、母集団形成に苦戦していたこと、扱う商材が通常のプロダクトより要素が多く一定のリテラシーと経験が求められること、社内に新メンバーを育成できるリソースがなかったこと——この3つの壁がありました。求められたのは、単純な人員補填としての営業代行ではなく、チームの一員として入り込む外部パートナーでした。

インタビューで当時の状況を語るスマレジ社の担当者
写真:インタビューの様子

「数字を取るという側面だけで走っていただける企業様とお付き合いする気はそもそもなくて。企業成長と共に伴走してくれるパートナーであるということを念頭に置いてお付き合いしたいというところが、一番期待していたところ」

株式会社スマレジ 伊東さん

営業実行と業務改善を切り離さず、実務を担いながら同時に標準化を進めています。

Noumaのメンバーは朝会・定例会議・1on1に参加し、チームのメンバーと同じ実務を担当しています。リード対応、架電、商談化、Salesforce入力、レポーティングまでが対象範囲です。外部パートナーとして数字だけを追うのではなく、実務を担いながらチームにナレッジを残していく形をとりました。

まず現場に入り、実行しながら業務のばらつきを洗い出し、記録と整理をAIに担わせて誰が担当しても同じ品質で回る形にしていく。記録や整理はAIが支援し、判断と品質担保は人が担う——この線引きが、標準化を「現場で回る形」にするための前提です。

具体的には、次の4つを並行して進めました。

  • リード対応・架電の実務:メンバーと同じく朝礼から参加し、顧客対応から商談化までを担当。対応件数の多さが、チームの行動量の基準値を引き上げるきっかけになりました。
  • 引き継ぎメモの自動化:商談化時の引き継ぎメモを、文字起こしをベースに自動生成する仕組みへ移行。手作業による品質のばらつきを解消しました。
  • セールスの知見共有:1on1でコールドコールや掘り起こしの進め方を共有。他社での実践を踏まえた相談先として機能しています。
  • 振り分け基準の整備:掘り起こし対象リストの作成基準や案件カテゴリーの振り分けにAI活用を拡大。Salesforceの次期アップデートへの反映を予定しています。

「基本的にはメンバーと同じ、朝礼から始まって、お客様対応していただいて、商談取っていただくというところをやりつつ、プラスで私が持っていないセールスの知見を1on1で相談させてもらったりとか。それまで十分にリソースを割けなかった部分だったので、その辺はすごい助けてもらってるなと思ってます」

株式会社スマレジ 伊東さん
日々の関わり方について、身振りを交えて話すスマレジ社のセールスチーム 主任 伊東さん
写真:インタビューの様子

引き継ぎメモの自動化によって、チームが課題に向き合う時間が生まれました。

最初に着手したのは、商談化した際の引き継ぎメモの自動化です。それまでは対応した本人が架電後に手作業で作成しており、粒度や品質が担当者によって変わりやすい状態でした。文字起こしをベースに自動生成する仕組みへ移行したことで、作成にかかっていた時間が大きく減り、そのぶんを課題の検討に充てられるようになっています。

「量に関しては圧倒的に時間と工数削減ができたので、課題に充てられる時間の捻出という意味ではセールスという組織においてものすごくプラスになった。質に関しても、徐々に徐々に改善と向上を繰り返してきているのではないか」

株式会社スマレジ 伊東さん

変化は工数だけではありません。伊東さんは「AI活用」「データ集約」「顧客接点への解決策の出し方」といったセールスならではの思考プロセスがチームにもたらされたことを、参画前後で最も大きく変わった点として挙げています。

ミーティングの進め方にも変化がありました。他メンバーの報告に対して質問を投げかける動きが生まれたことで、「わからないことは聞いていい」というスタンスがチーム全体に波及しています。

支援前後の変化について語るスマレジ社の担当者
写真:インタビューの様子

2026年7月、セールスチームの評価方針は「商談数」から「商談の質」を重視する形へと転換しました。

背景には、事業統合のタイミングでサービスごとに商談化後の成約率に差があることが明らかになったことがあります。フィールドセールスのリソースが限られる中、セールスチームが案件を見極めてSQL(質の高い商談)に絞ってトスアップする方針への転換が図られました。この転換に伴い、Noumaには他部署とのコミュニケーション負荷が高まる中で、AIを活用した施策提案によって一人ひとりのキャパシティを広げる役割が期待されています。

「電話がやっぱり命だとは思うんですけど、そこの質をどう評価するかみたいなところが、正直今まで結構主観で。ある程度の一定の基準をAIの方でもって評価してもらうとか、そのレビュー方法とか。電話のレビューは今一番考えたい」

株式会社スマレジ 伊東さん

伊東さんはNoumaの伴走を「ザ・モデルの進化版」という言葉で表現します。分業体制を3年前に導入して以降、現在は量から質への転換期にある。その転換を支える存在として、Noumaを位置づけています。

「今までのBPOサービスだとリソース補填が際立っていたと認識をしていて…事業成長を一緒にやり遂げられるBPOサービスというところにおいては、自分自身がロールモデルになって新しいセールスの形をノウハウとしても入れていただけるような。そこから横展開が起き、他のメンバーの数字も上がっていくという相乗効果が作れるというところは、他のBPOサービスとは全く違う点」

株式会社スマレジ 伊東さん

部署の型にはまり解決策を見いだせずにいる企業や、成長を目指しながらも次の一手が見えていない企業に対して、ロールモデルとなる動き方を提示し、それを新しい武器として社内に根付かせるきっかけをつくることができる、と伊東さんは語ります。

株式会社スマレジのオフィスで、ロゴサインの前に並ぶ2名
写真:株式会社スマレジ オフィスにて